藤原利菜さんインタビュー

「スポーツは友達作りのいいきっかけ」

世界で人気上昇中のラケットスポーツ「パデル」の日本代表選手として活躍する藤原利菜さんは、中学校2-3年生にかけてアデレードの公立校に留学。当時はテニスの全日本ジュニア選手権で優勝するなどテニスで活躍をしていたが、テニスの上達と英語の習得を目指しての留学だった。現在パデルで試合に出場しながら、テニスやパデルの用具などを扱うバボラ社でマーケティング活動に従事する藤原さんに、アデレードのこと、留学とスポーツのことなど、ご自身の経験を踏まえてお話を伺った。

Q1. 藤原さんは中学生の時に留学生としてアデレードに来られましたが、なぜアデレードが留学先となったのですか。また、留学の目的は何でしたか。

元々留学は英語圏でということが前提になっていたのですが、当時お世話になっていたテニスのスポンサーやコーチの方々が治安面やテニスの環境など、色々と伝を辿って検討していただいた結果、オーストラリアのアデレードが良いということになりました。

留学した理由は、テニスはもちろんですが、英語が話せるようになることも大きな目標でした。私にとってはテニスと勉強の両立を目指しての留学でした。

Q2. アデレードでの留学生活はいかがでしたか。どのようなことが良かったですか。

今思えばホームシックのようなことはあったのだと思いますが、当時は自分ではあまり問題は感じていませんでした。テニスで先に友達ができていて、その友達が同じ学校に行っていたりしていたので、友達は作りやすかったです。テニスのお陰でテニス以外の部分も充実していた感じです。印象的だったのは、留学先のマリアットビル高校で初めての家庭科の授業のとき、座席が自由でかえってどこに座っていいのか分からずに困っていたら、名前は知らないけど顔は知っているテニスの子がいて、その子が誘ってくれてとても仲良くなったということもありました。その子も含めて当時テニス繋がりで仲良くなった友達とは今でもまだつき合いが続いている人も多くいます。友達も順調にできたことで、学校も楽しく、英語もとても上達しました。ホームステイも英語力アップにはとても良かったと思います。

あと、マリアットビル高校では学校のテニスプログラムにも入って授業の一環としてもテニスをしていました。学校のテニスプログラムはあまり厳しいというものではなかったですが、学校では勉強とテニスの両立はしっかりとできたように思います。

Q3.　テニスと勉強をしっかりと両立されていた藤原さんですが、アデレードのテニスの環境はどうでしたか。テニスやスポーツの活動でのエピソードがありましたら教えてください。

とても良かったと思います。私は学校外のテニススクールとしてピータースミス テニスアカデミーに入っていましたが、アカデミーが使用するネクストジェネレーションの施設が良すぎました！　コーチ陣もみんな経験が豊富で、優しくしっかり指導してくれました。コーチやその時の自分の状況にもよりますが、基本的にコーチングは日本ほど細かくなくて自分で考えたり意識したりすることも求められたので、そういう点でもとても良かったです。あと、体が大きい海外の選手たちの中に入って試合にもどんどん出させてもらえていたので、自信を持てるようになりました。日本にそのままいたらできなかったようなことを多く経験することで、オーストラリアでは自分のテニスの成長を実感することができました。

また、スクール以外の部分として、アデレードの高校では“部活命”ということではなく、スポーツを通じてスポーツ以外のことも色々と学んだり、一つのスポーツだけではなくて他のスポーツも一緒に楽しんだりするという考えがあります。スポーツをする環境としてはとても良いことだと思います。私はまた今からもう一回行きたいくらいです！

Q4. これからアデレードに留学してスポーツと勉強を頑張ろうとしている方へのアドバイスはありますか。

アデレードは日本ではあまり知られていないのでとても田舎なところと思われるかも知れませんが、自然に溢れながらも何もないわけではなくショッピングモールもあって、ちょうど良い感じの心地よい都市という印象です。私がアデレードで出会った人たちは本当にいい人しかいなかったです。留学して最初は怖い気持ちもあると思いますけど、新しい環境で何かにチャレンジするにはアデレードは本当に良い環境でおすすめです。

スポーツをすることもおすすめします。クリケットのような日本ではあまり触れることがないスポーツもありますし、どんなスポーツでも気軽にちょっとやってみるという環境があるので是非スポーツも楽しんでもらえたらと思います。

Q5. AASでは藤原さんも親交の深い大谷敦さんや倉島万由子さんが留学生の現地サポートを行いますが、どのようなことを期待しますか。

大谷さんは私の留学時にも素晴らしいサポートをしてくれました。ずっと一緒にいるわけではありませんが、放ったらかしでもなく、定期的に会ったり、何かあったときに頼れるという感じでした。お陰で、私は自分でできることを自分で頑張ることができましたし、ホストファミリーときちんとコミュニケーションを取ることもできました。その絶妙な距離感が私の充実した留学生活を支えてくれていたなと思います。これからも一人ひとりの留学生に合ったサポートを続けていってもらえたらと思います。

Q6. 最後に、アデレードの好きなところを教えてください。

留学当時はまだ中学生であまり実感としてなかったような部分もありますが、数年前にアデレードを訪れた際に改めて自然のきれいさに感動しました。コーヒーもワインもおいしくて、自分が求めているものが全部揃っている場所ですね。人も多過ぎず、少な過ぎず、バランスが整っている街で、私は今でもいつも「アデレードに住みたいな」と思っています！

取材：2021年3月

藤原利菜さんインスタグラム ：https://www.instagram.com/rnfjwr/