山田幸代さんインタビュー

「オーストラリアはスポーツへのチャレンジを楽しめるところ」

日本初のプロラクロスプレイヤー山田幸代さんは、2008年にアデレードの強豪チームWildernessに加入。その後オーストラリアでも活躍を続け、オーストラリア代表としてラクロスワールドカップにも出場している。現在は世界ラクロス協会選手会メンバーのアジア・オセアニア代表を務める傍ら、講演会や執筆活動、メディア出演などより幅広く活躍を続けている山田さんにアデレードのこと、オーストラリアでスポーツをするということなど、ご自身の経験を踏まえてお話を伺った。

Q1. 山田さんはアデレードでラクロスプレーヤーとして活躍されていましたが、なぜアデレードだったのですか。

オーストラリアはラクロスの強豪国で2005年のワールドカップで優勝しました(日本は5位入賞)。実はその時のオーストラリア代表チームの中に憧れていた選手がいて、その選手がアデレードのWildernessというチームに所属していました。ワールドカップの後、自分でWildernessにコンタクトを取ってチームへの加入の調整をして、2008年にアデレードに行きました。

Q2. アデレードではどのような生活スタイルでしたか。

年によって変わっていきましたが、アデレードに着いた初めの頃は自分のトレーニングをどうやっていくかを一人で模索していました。ラクロスの練習は夜だけなので、日中は自分の練習の時間になりますが、ジムを探すところから練習内容を考えることまで自分で全部していました。費用は全部自腹だったので自分でできる範囲でやっていました。そのうち現地の人と接点ができ始めて情報も入り、生活も落ち着いていきました。

Q3. 山田さんはラクロスのオーストラリア代表として活躍されていましたが、オーストラリアのスポーツ環境はどうでしたか。

私の場合は勝負としてスポーツをしていたのでやはり厳しさはありました。自分が信頼してもらえないとボールさえもらえない世界なので初めは随分悔しい思いもしました。英語ができなかったのでコミュニケーションをとるのにとても苦労しましたし、コミュニケーションをとれないことで、ラクロス自体も正直楽しくなかったです。

でも頑張っているうちに周りとも段々慣れてきて、信頼してもらえるようになりました。信頼関係ができてくるとオーストラリアの人たちは入ってきてくれるようになります。壁を乗り越えるまでの苦労があった分、乗り越えた後はチームの一員としてトップレベルでプレーすることの楽しさを学びました。

オーストラリアは趣味としてスポーツをするにも素晴らしい環境です。自然も多くて朝でも夜でも自分がスポーツをしたいときにすることができます。小さな子どもから大人までスポーツ自体を本当に楽しんでいて、このスポーツだったらここに行けばできるという場所がすぐ身近にあることも素晴らしいです。オーストラリアでは子どもたちもとても積極的です。「スポーツをするぞ」と構えるのではなく、「スポーツを楽しむ」ことを私も子どもたちからを学びました。スポーツにチャレンジして楽しむことはオーストラリアの文化だと思います。

Q4. 英語でのコミュニケーションに苦労されたということですが、どのようにして克服しましたか。

英語は特に勉強したのではなくてチームの中で自然に学んでいった感じです。チームの中に親友ができて、親友から助けてもらっていたのが大きかったです。とにかく話すことで身につけていきました。最初は英語ができないことが恥ずかしいと思っていたので消極的になってしまっていたけど、元々できないことはみんな知っていてくれるから、どんな方法でも良いのでコミュニケーションは積極的に取ることが大事だということを学びました。格好つける必要はない、英語ができない人とコミュニケーションをとることに慣れてくれている人がいる、そう実感しています。

Q5. オーストラリアに留学してスポーツを頑張ったり楽しんだりする方へのアドバイスはありますか。また、ラクロスでオーストラリアに渡航する人へのメッセージもお願いします。

オーストラリアはスポーツをするのにとても本当に良い環境です。レベルの高いところにチャレンジできるという魅力もあって、楽しみながらトップを目指せる環境が揃っていると思います。スポーツを頑張っている人には是非一回行って欲しい場所だと思います。チャレンジしたいと思ったときに踏み出せる勇気。その一つの小さい勇気が大きな未来に繋がったり、もっと大きなチャレンジをしたいと思わせてくれるような環境がオーストラリアにはあると思います。

趣味や楽しみでスポーツをしたいという人にもオーストラリアはお奨めです。オーストラリアの良いところは、いくつスポーツをしても悪じゃない、日本みたいに一つのスポーツだけに集中しなくても良いという考えがあります。英語を学びたいと思って留学した高校生がスポーツも楽しんだり、今までとは違うスポーツを始めることももちろんできます。オーストラリアは色々なことにチャレンジできるところなので、固定概念を持たずに行って欲しいなと思います。オーストラリアでラクロスをするチャンスもあるかも知れません!

ラクロスでオーストラリアに行く人へー

どのレベルでラクロスをしたいかによって行く国は変わってくると思いますが、オーストラリアという国は、本当にラクロスだけでプロとしてトップオブトップを目指すために行く場所ではないと思います。オーストラリアは、世界のトップレベルのラクロスを経験しながら、ラクロスだけではない生活の面も含めて自分の感性を磨ける場所だと思います。スポーツを通して人間形成をしていく、自己実現をしていく、ラクロスだけではない何か違う景色を見ることができるのがオーストラリアです。そのことがフィールドの中で求められる選手として開花することに繋がります。また、オーストラリアでの貴重な経験は、ラクロスが終わった後の人生も潤してくれるはずです。

Q6. AASでは山田さんも親交の深い大谷敦さんや倉島万由子さんが留学生の現地サポートを行いますが、どのようなことを期待しますか。

オーストラリアの人たちとコミュニケーションを取れる場所がどんなところなのかなどをヒントとして与えてくれると良いのではないかと思います。選択肢を教えてもらって自分で探したり選んだりできると本人の役に立つと思います。あと、文化のことや生活のことなど分からない時に相談できるような環境だと良いですね。

Q7. 最後に、アデレードの好きなところを教えてください。

アデレードはビーチが素晴らしいです。気候も良く、人の温かさも感じられ、街もきれいなところが好きです。あと、オーストラリアの野菜とワインも大好きです。野菜は特にビーツがお気に入りですね。それと、オーストラリアのコーヒーも、、、

嫌いなところはあまりありません!

取材:2021年3月

山田幸代さんホームページ:https://sachiyoyamada.com/